特集 再手術の戦略と実際
声門下腔狭窄症に対する再手術
津川 二郎
1
Jiro Tsugawa
1
1愛仁会高槻病院小児外科
pp.656-660
発行日 2024年7月25日
Published Date 2024/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000872
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はじめに
小児の声門下腔狭窄症(以下本症)は喉頭と気管にかかる特殊な領域の疾患であり,その治療は気道を扱う小児外科医や小児耳鼻咽喉科医にとって現在でも難題である。特に最初の外科治療に失敗した場合には,狭窄度の悪化や狭窄範囲が広がることにより,喉頭機能障害の悪化を伴う喉頭気管の形態変化が起こることもあり,それに対する再手術は非常に困難になることが多い。本症の治療のエキスパートであるMonnierは,小児の喉頭気管狭窄の治療をまとめた教科書であるPediatric Airway Surgeryの緒言で,“The first operation is a great responsibility, as it is here that the patient’s greatest chance lies. Failure of the first surgical attempt inevitably worsens the outcome and prolongs tracheostomy dependence.” と述べている1)。われわれの施設では,2009年から本症に対する再手術としてpartial cricotracheal resection(PCTR)を行ってきた。
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