特集 頭頸部再建外科―日常臨床から理論まで
Ⅳ.耳鼻咽喉科医が知っておきたい形成手術―秘伝を用いた小手術
5.声門下狭窄症
久 育男
1
1京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
pp.153-157
発行日 2009年4月30日
Published Date 2009/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101433
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Ⅰ はじめに
声門下狭窄症には先天性声門下狭窄症と後天性声門下狭窄症がある。一般的に,後天性狭窄症は先天性狭窄症に比し,治療が困難で難渋することが多い。これは患者の体質が関与するためで,一般的にケロイドや肥厚性瘢痕をきたしやすい患者に後天性狭窄症が多いことによると考えている1)。
後天性声門下狭窄症は,喉頭の外損傷が輪状軟骨に至った場合や,高位気管切開によって生じる。最近は,長期気管内挿管管理による内損傷が原因のものが増えている。
声門下狭窄症に対する外科的治療法としては,内視鏡下手術と経皮的手術に大別される。内視鏡下手術は低侵襲ではあるが,喉頭の枠組みが保たれ,病変部が小さいものに限られるため,その適応は少ない。そこで,本稿では,経皮的手術の代表である段階的手術(trough法)の実際2)について述べる。
本手術は決して『小手術』ではなく,細心の術後管理を必要とすることを強調したい。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.