特集 胆道閉鎖症の研究update
腸内細菌叢の包括的解析
越智 崇徳
1
,
武田 昌寛
1
,
朝原 崇
2
,
栗田 晃伸
2
,
緒方 謙
2
,
鈴木 光幸
3
,
入戸野 博
4
,
齋浦 明夫
5
,
水田 耕一
6
,
笠原 群生
7
,
岡崎 任晴
8
,
山高 篤行
1
,
山城 雄一郎
9
Takanori Ochi
1
,
Masahiro Takeda
1
,
Takashi Asahara
2
,
Akinobu Kurita
2
,
Yuzuru Ogata
2
,
Mitsuyoshi Suzuki
3
,
Hiroshi Nittono
4
,
Akio Saiura
5
,
Koichi Mizuta
6
,
Mureo Kasahara
7
,
Tadaharu Okazaki
8
,
Atsuyuki Yamataka
1
,
Yuichiro Yamashiro
9
1順天堂大学医学部小児外科・小児泌尿生殖器外科
2株式会社ヤクルト本社中央研究所
3順天堂大学医学部小児科
4順伸クリニック胆汁酸研究所
5順天堂大学医学部肝・胆・膵外科
6埼玉県立小児医療センター移植外科
7国立成育医療研究センター臓器移植センター
8順天堂大学医学部附属浦安病院小児外科
9順天堂大学大学院プロバイオティクス研究講座
pp.138-141
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000718
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はじめに
胆道閉鎖症(biliary atresia:BA)は,新生児期~乳児期早期に発症する胆汁うっ滞性疾患で,灰白色便や血清ビリルビン高値などの所見からBAが疑われた場合には,速やかに診断し,葛西手術を行う。術後は抗菌薬投与やステロイドパルス療法を行うが,減黄が得られない場合には再手術(肝門部再切離,搔爬)を行うこともある1)。減黄が得られた症例においても,繰り返す胆管炎や黄疸の再燃,長期的には肝硬変の進行や門脈圧亢進症に伴う合併症に対する検査・治療など,生涯にわたるフォローアップを必要とする2)。一方で,術後減黄が得られなかった症例,いったん減黄が得られたものの黄疸が再燃した症例,肝硬変およびBA関連合併症のコントロールが困難となった症例においては肝移植が考慮され,肝移植後は免疫抑制剤の内服が必要となる3)。
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