特集 喉頭・気管病変 治療の工夫と予後
再生医療による気道再建の展望
古村 眞
1,2
Makoto Komura
1,2
1東京大学大学院医学系研究科組織幹細胞・生命歯科学(社会連携)講座
2東京大学医学部附属病院ティッシュエンジニアリング部
pp.1128-1132
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000616
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はじめに
小児外科医であるVacantiら1)が,1988年にマサチューセッツ工科大学(MIT)のLangerと,細胞に生活環境である足場を与えることで異所性に組織・臓器が再生できるという概念を “chimeric neomorphogenesis” としてJournal of Pediatric Surgery誌に発表した。1991年,CimaとVacantiら2)が,初めて “tissue engineering”(組織工学)という言葉を使って,細胞と足場によって組織・臓器を再生させる技術として報告した。1993年にLangerとVacanti 3)が,tissue engineeringの3要素とされる細胞と足場,栄養について初めて言及した。当時,この技術が近い将来に肝移植のドナー不足を解消できる新たな技術に発展すると大きな期待が寄せられた。
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