特集 喉頭・気管病変 治療の工夫と予後
気管無形成 最近の治療と予後
奧山 宏臣
1
Hiroomi Okuyama
1
1大阪大学小児成育外科
pp.1124-1127
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000615
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Ⅰ.気管無形成(tracheal agenesis)
1.発生頻度・病因
気管無形成は,出生直後から重篤な呼吸障害を呈する気管の先天性形成異常である。発生頻度は 1/50,000出生以下とまれな疾患で,性別は2:1と男児に多い。気管の発生は胎生3週から4週にかけて前腸腹側壁が膨らみ,呼吸器憩室が形成される。憩室が拡張するのに伴い気管食道中隔が形成され,前腸から分離され気管が形成される。この際,気管食道中隔が腹側へ偏位するため生じるという説などがあるが,明らかな発生原因は不明である。家族内発生や特定の染色体,遺伝子異常は報告されていない。
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