Japanese
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診療指針
気管支喘息の最近の治療
Recent advance on Treatment of Bronchial asthma.
吉村 正治
1
,
原 一男
2
1日本医科大学
2日本医科大学新内科
pp.395-401
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200992
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I.はじめに
気管支喘息はアレルギー性疾患の代表的なものの一つであるが,アレルゲンの性質により,外因性喘息extrinsic asthma,内因性喘息intrinsic asthma又はその混合型に分けられる。外因性アレルゲンには種々の物質の報告があり,確実に患者のアレルゲンを検出し得る場合も少なくないが,わが国に於てはこの型の喘息はむしろ稀れであつて,多くは呼吸器を中心とする諸種の感染症に基因する所謂感染性喘息infectious asthmaで,アレルゲンが体内に存する,すなわち内因性喘息であるといわれる。この場合原因病巣は,副鼻腔・扁桃・歯牙・気管等,主として上気道の炎症巣が重視せられて来たが,今日迄のところこれらの病巣から分離した細菌のワクチン等で皮膚反応を試みても著明な即時反応を認め得ず,アレルゲンの確定に成功した報告はあまり見られていない。
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