婦人の目
無責任な最近の母親たち
山主 敏子
pp.61
発行日 1969年10月1日
Published Date 1969/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203819
- 有料閲覧
- 文献概要
下がり過ぎた出生率
人口問題審議会がさきごろ,わが国の出生率が下がり過ぎるという中間答申を行なって話題となっている.同審議会は厚生大臣の諮問機関であり,その答申を参考にして人口対策が打出されることにもなるのでその内容を考えてみよう.答申によると,わが国の人口の純再生産率は最近10年間もつづけて1を割っているので,将来人口が減るのを避けるために出生力を回復することが望ましいといっている.
純再生産率とはつまり,ひとりの女性が女児を何人生むかを示すもので,これが昭和25年ごろは1.53と,戦前と変わっていないのに,昭和31年になって1を割って0.99となり,昭和41年などはヒノエウマの迷信が影響して0.74という激しい減り方を示した.その翌年は1.05と回復したが,43年はまた0.99に逆もどりで,この調子でいくと30年後には人口が減り出すだろうというのである.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.