特集 急性虫垂炎:診断,治療,研究
PASの活用/AAST分類を用いた急性虫垂炎の重症度評価
藤井 喬之
1
,
形見 祐人
1
,
田中 彩
1
,
下野 隆一
1
Takayuki Fujii
1
,
Hiroto Katami
1
,
Aya Tanaka
1
,
Ryuichi Shimono
1
1香川大学医学部小児外科学
pp.708-713
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000505
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はじめに
急性虫垂炎は小児の外科的救急疾患で最多である1)。しかし,症状は非特異的なことが多く,年少児では正確に病歴を聴取することや身体所見をとることが難しいこともあり,診断は必ずしも容易ではない。虫垂炎診断の標準化ツールとしてさまざまなスコアリングシステムが開発されてきており,なかではPediatric appendicitis score(PAS)2)と Alvarado score3)が代表的である4~9)。2017年に日本小児救急医学会が発表した「小児急性虫垂炎のガイドライン」では,どちらか一方のスコアリングを推奨することはないとされており10),本稿では小児に特化したPASについて概説したい。
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