特集 小児 一次救急マニュアル─帰宅可能か?二次救急か?判断のための手引き─
❹事故・外因性原因別アプローチ
12.小外科(小児外来で行う創傷処置)
藤井 喬之
1
,
田中 彩
1
,
形見 祐人
1
,
下野 隆一
1
1香川大学医学部小児外科
キーワード:
小児
,
一次救急
,
外傷
,
縫合
,
湿潤療法
Keyword:
小児
,
一次救急
,
外傷
,
縫合
,
湿潤療法
pp.847-852
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000894
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小児の外来で多い切創と挫創の治療について述べる.創傷の治癒形態は一次治癒から三次治癒までに分類される.一期的な創閉鎖は,汚染創ではない,受傷後6~8時間以内などの条件を満たせば行う.また,創の感染を防ぎ,良好な治癒を得るためには十分な止血,洗浄,異物の除去が重要となる.真皮までの創であればサージカルテープが有効で,それより深い創では縫合が必要となる.主に擦過創では,創傷治癒を促すために湿潤環境の維持が重要であり,閉鎖療法を行う.創傷被覆材は製剤によって性質が異なり,創の状態に応じて選択する.受傷に関連して臓器損傷の可能性がある場合や,専門的な処置が必要,感染リスクの高い場合などでは二次救急に依頼する.
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