特集 今日の小児肝移植
右房内腫瘍栓を伴う肝芽腫症例に対する肝移植
井原 欣幸
1
,
水田 耕一
1
,
小俣 佳菜子
1
,
納屋 樹
1
Yoshiyuki Ihara
1
,
Koichi Mizuta
1
,
Kanako Omata
1
,
Itsuki Naya
1
1埼玉県立小児医療センター移植外科
pp.636-641
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000482
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はじめに
肝芽腫に対する肝移植術は2009年に保険適用となり,これまで(2022年時点)に国内で133件の肝移植が施行された。生存率は1年90.2%,5年77.9%(以降も同じ)と,諸外国に比して生体肝移植がほとんどであるわが国の成績は,至適移植時期に肝移植を行えるメリットもあり比較的良好である1)。反面,脳死肝移植時のように適切かつ十分な血管グラフトが採取できないことから,根治的切除後の血管再建と循環管理には工夫を要する2)。
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