Japanese
English
臨床報告
Currarino 3徴の1例
A case report of Currarino triad
萱場 広之
1
,
加藤 哲夫
1
,
蛇口 達造
1
,
吉野 裕顕
1
,
小山 研二
1
,
坂本 哲也
2
Hiroyuki KAYABA
1
1秋田大学医学部第1外科
2秋田大学医学部脳神経外科
pp.1425-1427
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900685
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
Currarino 3徴は直腸肛門奇形,仙骨異常に仙骨前腫瘤を伴う稀な先天異常であり,1926年のKenn-nedy1)の記載以来,77例の報告がみられる.1981年にCurrarino2)がこの3徴の発生機序について,“神経管形成時に尾側脊索を囲む体節が発育しないと仙骨前壁が欠損して腸管と神経管の分離が障害され,腸管では直腸肛門の狭窄や位置異常,脊髄では脊髄瘤・髄膜瘤や腸管との瘻孔形成を来し,瘻孔の一部が残った場合は腸管嚢腫,奇形腫などを発生する”と説明して以来,本3徴はCurrarino 3徴と呼ばれている.治療方針は直腸肛門奇形の病型および仙骨前腫瘤の病態によって異なり,十分な術前評価による計画的治療が必要となる.
今回,肛門皮膚瘻,肛門狭窄に仙骨部分欠損,仙骨前奇形腫,仙骨前髄膜瘤を合併した本症の1例を経験したので報告し,文献的考察を加えたい.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.