特集 腸内細菌を学ぶ
栄養
橋詰 直樹
1,2
,
田中 芳明
1,3
,
加治 建
1
Naoki Hashizume
1,2
,
Yoshiaki Tanaka
1,3
,
Tatsuru Kaji
1
1久留米大学医学部外科学講座小児外科部門
2国立成育医療研究センター小児外科系専門診療部小児外科
3久留米大学医学部特命教授
pp.146-149
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000357
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はじめに
健常なヒトの消化管には約1,000種類,100兆~1,000兆個の腸内常在細菌が腸内細菌叢を形成して生息している。腸内細菌叢は宿主の栄養代謝,防御機構,免疫機構の発達に大きく寄与している。腸内細菌叢を良好な状態に維持することは,免疫の基盤となる生体防御能を適正に保持するうえで重要である1~4)。代謝栄養としては短鎖脂肪酸(short chain fatty acids:SCFAs)の産生,ビタミンの合成,胆汁酸代謝,糖質および蛋白質やアミノ酸の合成および分解などに寄与する(図1)。腸内細菌叢の破綻は免疫能の低下のみならず,代謝栄養における生体システムにも多大な影響を及ぼす5)。
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