特集 腸内細菌を学ぶ
腸内細菌とアレルギー
成田 雅美
1
Masami Narita
1
1杏林大学医学部小児科学教室
pp.141-145
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000356
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はじめに
気管支喘息やアトピー性皮膚炎など小児アレルギー疾患の発症には,遺伝的因子だけでなく生後早期の環境因子が関与することは以前から知られている。その作用機序の一つとして近年注目されているのが腸内細菌叢である。出生後の腸内細菌叢は周産期の状況やその後の生育環境の影響を受けて形成される。そこに異常(dysbiosis)が生じると免疫機能の変化,耐性誘導の減弱,アレルギー反応の促進,バリア機能の低下などによりアレルギー疾患の発症が起こりやすくなると考えられる。
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