特集 診断困難な小児外科症例:早期診断へのポイントとヒント
診断が遅れてしまった胆道閉鎖症
安井 稔博
1
,
鈴木 達也
1
Toshihiro Yasui
1
,
Tatsuya Suzuki
1
1藤田医科大学小児外科
pp.1106-1109
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000285
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はじめに
胆道閉鎖症(BA)はいうまでもなくわれわれ小児外科医が課題としている重大疾患の一つである。1955年に東北大学の葛西森夫先生により考案された葛西手術により,自己肝生存が可能になったことを知らない小児外科医はいないであろう1)。しかしながら経験を重なるにつれ,手術時日齢が治療成績に寄与することが確認され,2012年に松井 陽先生のご尽力により便カラーカードが全国の母子健康手帳に導入されるようになった。これは「1か月検診までになんとか発見してほしい」という思いで1994~2011年に栃木県内で先駆けて行われた2,3)。
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