特集 高位・中間位鎖肛手術術式の成績と問題点アップデート
中間位・高位鎖肛における長期術後排便機能評価
齋藤 傑
1
,
渕本 康史
2
,
廣瀬 龍一郎
3
,
中田 光政
4
,
藤村 匠
5
,
藤野 明浩
6
,
上野 滋
7
,
黒田 達夫
8
,
田口 智章
9
Takeshi Saito
1
,
Yasushi Fuchimoto
2
,
Ryuichiro Hirose
3
,
Mitsumasa Nakata
4
,
Takumi Fujimura
5
,
Akihiro Fujino
6
,
Shigeru Ueno
7
,
Tatsuo Kuroda
8
,
Tomoaki Taguchi
9
1弘前大学小児外科
2国際医療福祉大学医学部小児外科
3福岡大学医学部呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
4千葉県立こども病院小児外科
5国立病院機構埼玉病院小児外科
6国立成育医療研究センター病院臓器・運動器病態外科部
7岡村一心堂病院総合診療科
8慶應義塾大学医学部小児外科
9福岡医療短期大学
pp.709-714
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000184
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はじめに
鎖肛(直腸肛門奇形)は,出生約5,000人に1例の頻度で発生する先天性疾患である。直腸盲端あるいは瘻孔部位と恥骨直腸筋との位置関係により,高位型,中間位型,低位型の3型に分類され,低位型が半数以上を占める1)。低位型は大半が予後良好とされているが,中間位・高位型は術後失禁,下着の汚れ(汚染),便秘などの排便機能障害が長期にわたって問題となる2~4)。成人期に至るまでの長期的な通院,治療が必要となる場合があるが,まれな疾患のため症例数自体が少なく,術後排便機能障害の実際に関しては一定の見解が得られていない。施設ごとの試行錯誤の域を出ていないのが現状である。
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