特集 高位・中間位鎖肛手術術式の成績と問題点アップデート
中間位鎖肛に対するPSARPの術後排便機能に基づいた外肛門括約筋切開の是非
福田 篤久
1
,
小幡 聡
1
,
永田 公二
1
,
田尻 達郎
1
Atsuhisa Fukuta
1
,
Satoshi Obata
1
,
Kouji Nagata
1
,
Tatsuro Tajiri
1
1九州大学大学院医学研究院発達生殖医学講座小児外科学分野
pp.674-678
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000176
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はじめに
中間位鎖肛に対する術式として,恥骨直腸筋とそれに連続する縦走連合筋および外肛門括約筋をすべて縦切開するposterior sagittal anorectoplasty(PSARP)が広く行われている。本法は,肛門括約筋の全体像の把握が容易であり,良好な視野展開が可能となる。一方で,PSARP後に完全な排便機能が得られるのは37.5%にすぎず,25%は便失禁を生じうる状態であり,必ずしも良好な経過ではないとも報告されている1)。外肛門括約筋皮下部および浅部のみ縦切開せず,その中心に直腸をpull-throughするPSARP変法の有用性も報告されているが,いまだ議論の余地がある。
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