今月の主題 消化器薬の使い方—その効果と限界
腸疾患
短腸症候群の治療
三浦 総一郎
1
,
芹澤 宏
1
,
土屋 雅春
1
1慶應義塾大学医学部・消化器内科
pp.654-656
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900820
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ポイント
短腸症候群では,栄養状態の維持を基本とする.
1)消化酵素分泌低下や胃酸分泌過多に対し,酵素製剤やH2プロッカーを投与する.
2)難治性下痢に対しては,一般的な止潟剤や抗コリン剤は無効なことが多く,codeine phosphateなどの麻薬が必要となることもある.
3)経口での食餌摂取に努め,これのみで不十分な場合,高カロリー輸液や経腸栄養法を用いる.在宅栄養法により長期入院の問題は解決されつつあるが,その合併や患者の精神的負担も考え,円滑な日常生活を目標に努力すべきである.
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