特集 AIとともに育つ医療─小児医療の新しいかたち
診療支援(Clinical Applications)
対策ができない理由を乗り越えるためのAI技術
大野 美喜子
1,3
,
能崎 直紀
2
,
川辺 有哉
2
,
稲垣 賢
2
,
北村 光司
1,3
,
西田 佳史
2,3
,
山中 龍宏
3
Mikiko Oono
1,3
,
Naoki Nozaki
2
,
Yuya Kawabe
2
,
Ken Inagaki
2
,
Koji Kitamura
1,3
,
Yoshifumi Nishida
2,3
,
Tatsuhiro Yamanaka
3
1産業技術総合研究所
2東京科学大学
3Safe Kids Japan
pp.269-271
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002887
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はじめに
傷害予防の基本は,事故の原因を見つけて,その原因を取り除くことである。筆者らはこれまでに,原因を取り除くことを考える場合に役に立つABC理論を提唱してきた1)。ABC理論は,社会問題という超複雑システムのなかで,「変えたいもの:A」「変えられないもの:B」「変えられるもの:C」を整理し,変えられるものを見つけて変えたいものを変える,という方法論である。しかし,この変えられるものを変えるのも,実は,とても難しいこともわかってきた。たとえば,ベランダからの転落予防のために子どもの手の届かない場所に補助錠を設置するという対策一つとっても,“子どもを一人でベランダに出さないようにしているから大丈夫”,“売っている場所を知らない”,“設置するのが面倒”など,できない理由がさまざまあり,実際には,変えられるものを変えられれば予防できることも,それを変えることができず予防ができていない2)。このできない理由/変えられない状況を乗り越えさせることこそが,今,傷害予防活動に強く求められている。

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