連載 優れた“わざ”をどう伝えるか 技術の「背後にある意味」を教える・10【最終回】
リスクを乗り越え定着しているかに見える看護技術 沐浴
阿保 順子
1
1北海道医療大学大学院看護福祉学研究科
pp.864-870
発行日 2017年10月25日
Published Date 2017/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200851
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
一般的に行われるようになった心疾患児の沐浴
安全と安心
連載を始めるにあたって川嶋は,医療安全を旗印に,起こり得るリスクを伴う行為一切を禁じるという看護のトップマネジャーの言葉や,基礎看護技術教育における「学生の人権」を盾にした身体の直接ケアの軽視に警鐘を鳴らしている1)。
何事においてもリスクがゼロということはあり得ない。だから,確率という観点がそこにはもち込まれる。行為を受ける側の人々の安心は,リスクの確率の低さを通過しなくてはもたらされない。どれくらい危険性があるのかという観点から,人々の「安心」によって安全性が担保されるということになる。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.