特集 学んでおきたい遺伝学的検査と遺伝カウンセリング
各論 検査手法別
遺伝子発現解析とエピジェネティクス
鏡 雅代
1
Masayo Kagami
1
1国立成育医療研究センター研究所分子内分泌研究部
pp.195-201
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002866
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はじめに
遺伝子の配列によらないエピジェネティックな遺伝子発現制御機構には,DNAメチル化,DNAが巻き付いているヒストンタンパク質へのさまざまな化学修飾,ノンコーディングRNAによる制御がある。ゲノムDNAが核内でタンパク質と結合したものをクロマチンとよび,密にたたまれた領域をヘテロクロマチンといい,遺伝子の転写活性は低いことが多い。一方,ゆるくたたまれた領域をユークロマチンといい転写活性は高い。エピジェネティクス機構はクロマチン構造を変化させることにより遺伝子の転写を調節する機構である1,2)。DNAメチル化やヒストンタンパク質にかかわる遺伝子の異常により,関連タンパクの機能不全が生じ,成長の異常,精神運動発達遅延や特徴的顔貌などを示す先天奇形症候群をひき起こす2)。

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