特集 常在微生物叢と小児疾患~腸内細菌叢の先にあるもの~
各論 腸内細菌叢と小児疾患との関係
神経発達症と腸内細菌叢
渡邉 己弦
1
,
三上 克央
1
WATANABE Natsuru
1
,
MIKAMI Katsunaka
1
1東海大学医学部総合診療学系精神科学
pp.1061-1064
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002518
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はじめに
腸内細菌叢は,宿主の免疫系,代謝系,さらには神経系にまで多岐にわたる影響を及ぼす常在微生物叢である。とくに腸と脳との双方向的な相互作用を示す「脳腸相関(gut-brain axis)」という概念が近年注目されている。腸管を介した脳への影響,ならびに脳機能の変化が腸内環境に波及するという相互関係は,精神・神経疾患の新たな病態生理の理解を可能にしつつある。

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