特集 腸内細菌叢――実際のところ何が重要なのか
4.肥満と腸内細菌叢
内藤 裕二
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科生体免疫栄養学
pp.749-753
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003108
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日本人の肥満に関与する腸内細菌についてはファーミキューテス/バクテロイデス比(F/B比)を適用するのは適切でない.日本人の肥満に関与する腸内細菌が明らかにされてきている.一つ目は,肥満や2型糖尿病の予防や改善に役立つ可能性がありそうと見いだされたのがブラウティア菌(Blautia wexlerae)である.二つ目は,フシモナス菌(Fusimonas intestini)で,空腹時血糖や肥満指数とフシモナス菌の占有率の間に正の相関が示されている.両菌ともにその作用にかかわる代謝物も同定され,肥満と腸内細菌研究は新たな時代を迎えている.
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