特集 母子感染の最新知識
総論
腸内細菌叢の母子伝播
久田 研
1
HISATA Ken
1
1順天堂大学医学部小児科学講座
pp.545-549
発行日 2024年5月10日
Published Date 2024/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001545
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はじめに
胎内環境における微生物の役割については検討の余地が残るが,出生を契機にさまざまな微生物が新生児に定着し,細菌叢が急激に発達することは周知の事実である。そして,分娩方法や在胎週数,抗菌薬や栄養方法など,いくつかの要因が新生児・乳児の腸内細菌叢に影響を及ぼし,さらには,生活環境や,家族の関わりもまた,初期の微生物の獲得と維持に重要な役割をもっていると考えられている。そこで,本稿では,新生児・乳児の腸内細菌叢について,母子伝播という視点から解説する。
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