ワンポイントアドバイス
随時血糖値による糖尿病発症リスクのスクリーニングのカットオフ値
折坂 美知子
1
,
稲葉 大輔
2
,
富永 真琴
3,4
1財団法人岩手県予防医学協会・臨床検査課
2岩手医科大学歯学部予防歯科学講座
3前・山形大学医学部液性病態診断医学
4医療法人社団みゆき会糖尿病内科クリニック
pp.32
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102342
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■随時血糖値によるスクリーニング
一般的に行われている集団を対象とした健康診断では,空腹時の採血が難しいことから,糖尿病検査のスクリーニングに随時採血による血糖値が多く使われている.糖尿病型の判定基準は75g経口ブドウ糖負荷試験(oral glucose tolerance test,OGTT)による基準をもとにした“随時血糖値≧200mg/dl”を用いているが,糖尿病の発症リスクに関する特性や基準についてははっきりしていない.そこで,初年度の年齢が30~69歳で糖尿病が認められず,5年間連続して随時採血による血糖値測定を行った男性3,997名(平均年齢:47.9±10.4歳),女性2,881名(平均年齢:54.8±10.1歳)の計6,878名を対象として前向きコホート調査を行い,糖尿病発症に関する随時血糖値のスクリーニング特性を解析し,予防医学的な有用性について検討した.
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