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特集 小児臨床検査2024
Ⅳ.血液凝固・線溶系検査
1.血液凝固・線溶・抗凝固検査 7)ADAMTS13活性,ADAMTS13インヒビター
ADAMTS13 activity, ADAMTS13 inhibitor
久保 政之
1
,
松本 雅則
1,2
Masayuki Kubo
1
,
Masanori Matsumoto
1,2
1 奈良県立医科大学血液内科
2 奈良県立医科大学輸血部
キーワード:
ADAMTS13活性
,
ADAMTS13インヒビター
,
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
Keyword:
ADAMTS13活性
,
ADAMTS13インヒビター
,
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
pp.112-114
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001892
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1 検査の意義と適応
ADAMTS13(a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondin type 1 motifs 13)活性の測定は,血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)の診断に必須の検査である。ADAMTS13はvon Willebrand因子(VWF)を特異的に切断する蛋白分解酵素として機能する。VWFは血小板と結合して血栓形成に寄与する止血因子であり,主に血管内皮細胞で産生され,超高分子量VWF重合体(UL-VWFM)として血液中に分泌される。血小板との結合能はVWFの分子量に依存し,高分子量のものほど血栓を形成しやすい。ADAMTS13は,VWFを適切な分子量に切断することで血栓形成を制御している。しかし,TTPではADAMTS13活性が10%以下に著減することによって,血中にUL-VWFMが残存した結果,高ずり応力の発生する微小血管内で活性化し,血小板血栓を生じる。TTPでは主に腎臓や脳などに微小血栓による虚血性臓器障害を呈する。
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