今月の主題 血栓症と臨床検査
話題
ADAMTS13
加藤 誠司
1
,
松本 雅則
1
Seiji KATO
1
,
Masanori MATSUMOTO
1
1奈良県立医科大学輸血部
キーワード:
ADAMTS13
,
VWF
,
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
Keyword:
ADAMTS13
,
VWF
,
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
pp.1191-1195
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102090
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1.はじめに
日常臨床で血小板減少を伴う症例はしばしば経験するが,詳しく検討されずに特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura;ITP)や播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation;DIC)などと安易に診断されている場合がある.血小板減少症で診断が難しい病態として,血栓性微小血管障害症(thrombotic microangiopathy;TMA)や血栓性血小板減少性紫斑症(thrombotic thrombocytopenic purpura;TTP)があるが,最近これらの病態とADAMTS13(a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondin type 1 motifs 13)との関連が注目されている.本酵素は,肝硬変や肝臓移植後などにおける血小板減少との関連も明らかとなり,血小板減少症の鑑別の際に,ADAMTS13測定を行うことが非常に重要であることが示された.
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