血栓症診療update-新規経口抗凝固薬を加えて広がる世界
von Willebrand因子とADAMTS13
宮田 敏行
1
,
松本 雅則
1国立循環器病研究センター 分子病態部
キーワード:
von Willebrand因子
,
紫斑病-血栓性血小板減少性
,
タンパク質三次構造
,
ADAMTS13 Protein
Keyword:
ADAMTS13 Protein
,
Purpura, Thrombotic Thrombocytopenic
,
von Willebrand Factor
,
Protein Structure, Tertiary
pp.87-90
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012271447
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
・血栓性血小板減少性紫斑病には、von Willebrand因子(vWF)切断酵素であるADAMTS13活性著減で発症する症例がある。・vWFは血管内皮細胞で合成・貯蔵されており、刺激依存性に超高分子量vWFマルチマーとして放出され、このマルチマーは血小板活性化能が高い。・ADAMTS13はvWFモノマー中のA2ドメイン内のペプチド結合を部分的に切断し、vWFの血小板凝集能を抑制する。この切断にはA2ドメインがずり応力依存性にunfoldする必要がある。・ADAMTS13は活性型として血中に存在し、基質vWFのA2ドメインが露出されることにより切断するというきわめてめずらしい機構で血栓形成を制御している。
©Nankodo Co., Ltd., 2012