特集 思春期医療に向き合う~苦手意識からの脱却
各論
疾患 起立性調節障害
田中 英高
1
TANAKA Hidetaka
1
1OD低血圧クリニック田中
pp.1354-1357
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001832
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
起立性調節障害(OD)は思春期に起こりやすい中枢性自律神経機能異常であり,立ちくらみ,起床困難,頭痛などさまざまな症状を生ずる。1990年代,厚生科学研究 奥野班の調査では,一般小児科外来の全受診者の約5%がODであった。重症ODでは,全身倦怠感だけでなく,集中力,思考力,記憶力など高次脳機能が低下し,学力低下,不登校,ひきこもりに陥ることもある。できるだけ早く診断し,重症度に応じた適切な治療が必要である。日本小児心身医学会では,ODガイドライン(ODGL)1~3)の改訂をくり返しているので,これに沿った診療の実践が理想的であるが,一般外来診療では対応が難しい。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.