症例
溶連菌感染後反応性関節炎の経過中に若年性特発性関節炎の診断にいたった1例
林 美帆
1
,
田中 瑞恵
1
,
七野 浩之
1
,
堀米 顕久
1
,
瓜生 英子
1
,
山中 純子
1
,
五石 圭司
1
,
川邉 智宏
2,3
,
宮前 多佳子
2,3
,
望月 慎史
1
HAYASHI Miho
1
,
TANAKA Mizue
1
,
SHICHINO Hiroyuki
1
,
HORIGOME Akihisa
1
,
URYU Hideko
1
,
YAMANAKA Junko
1
,
GOISHI Keiji
1
,
KAWABE Tomohiro
2,3
,
MIYAMAE Takako
2,3
,
MOCHIZUKI Shinji
1
1国立国際医療研究センター病院小児科
2東京女子医科大学病院小児科
3東京女子医科大学病院膠原病リウマチ痛風センター小児リウマチ科
pp.1287-1292
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001809
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はじめに
若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis:JIA)は小児期の代表的なリウマチ性疾患である。16歳未満に発症し,少なくとも6週間以上持続する炎症性サイトカインの過剰産生によって関節や多臓器に慢性炎症をひき起こす原因不明の関節炎である。小児の関節炎の原因を鑑別するにあたり,溶血性連鎖球菌(溶連菌)感染を起因とする急性リウマチ熱(acute rheumatic fever:ARF)や溶連菌感染後反応性関節炎(post streptococcal reactive arthritis:PSRA)と互いに重複した臨床症状を示すことも多く,診断は必ずしも容易ではない。初期にPSRAとして管理していても,典型的なPSRAの臨床経過でない場合には注意してフォローを行う必要がある。
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