特集 酸塩基平衡異常―基本と管理
各論 代謝性アシドーシスの病態と治療
近位尿細管性アシドーシス―Fanconi症候群を含めて
櫻谷 浩志
1
SAKURAYA Koji
1
1埼玉県立小児医療センター腎臓科
pp.1091-1094
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001759
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はじめに
尿細管性アシドーシス(renal tubular acidosis:RTA)は,近位尿細管における重炭酸イオン(HCO3-)の再吸収障害あるいは集合管尿細管の水素イオン(H+)の尿細管腔への分泌障害に起因する尿酸性化障害により,アニオンギャップ正常の高クロール性代謝性アシドーシスをきたす疾患である1)。原因によってⅠ型,Ⅱ型,Ⅳ型に分けられ,近位尿細管性アシドーシスはⅡ型に分類される1)。実臨床で近位尿細管性アシドーシスを単独で認めることはまれで,Fanconi症候群の一症状であることがほとんどである。
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