特集 完全把握をめざす小児の心疾患
成人先天性心疾患
成人先天性心疾患に特徴的な治療―カテーテル治療を含めて
佐地 真育
1
SAJI Mike
1
1東邦大学医学部内科学講座循環器内科学分野
pp.701-704
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001642
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はじめに
近年,先天性心疾患における診療体制は確立され,多くの患者がより安全に小児期に手術を受けることができるようになった。先天性心疾患患者の生命予後は大きく改善し,今や95%以上が成人を迎える。一方,成人循環器疾患領域のカテーテル治療の進歩は目覚ましく,成人先天性心疾患患者(ACHD)にもその技術は応用されている。しかしACHDは病態が多様,かつ長期観察データが十分でないことから,診療エビデンスは成人循環器のそれと比べると十分とは言い難い。とくに手術/カテーテル治療/そのコンビネーション治療,再手術に対する併存症(高度心不全,動脈硬化性疾患,サルコペニアなど)の予後への影響,生涯におけるより良い生活の質(life-time managementを含む)などに関する事項は重要であり,多職種ハートチームによる多角的な整備,さらにはガイドラインで治療指針として示していく必要がある。
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