特集 完全把握をめざす小児の心疾患
後天性心疾患
【コラム】日本における小児心臓移植の課題
小垣 滋豊
1
KOGAKI Shigetoyo
1
1大阪急性期・総合医療センター小児科・新生児科
pp.689-690
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001639
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日本国内における小児の心臓移植は,2000年に拡張型心筋症の重症心不全児に対して成人ドナーからの移植が行われたことに始まる。2010年に臓器の移植に関する法律(臓器移植法)が改正された後,2012年には6歳未満の小児に対して国内初の小児ドナーからの心臓移植が行われた。以降,国内小児心臓移植施行数は増加し(図),2017年以降は国内移植が海外渡航移植件数を上回るようになっている。2019年には年間17例の小児心臓移植が行われ,COVID-19のパンデミックにより2020年,2021年と移植件数は減少したものの,2022年以降は回復傾向がみられる。移植後の予後は10年生存率90%を超え,欧米に比較して良好な成績であり,日本においても小児重症心不全治療の選択肢として定着してきた。
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