特集 小児科医が知っておくべき筋疾患診療:遺伝学的理解と治療の最新事情
総論2:筋疾患の遺伝学的理解の進歩
【コラム】悪性高熱症の病態生理
山澤 德志子
1
YAMAZAWA Toshiko
1
1東京慈恵会医科大学・基盤研究施設
pp.1901-1903
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001423
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はじめに
悪性高熱症(malignant hyperthermia:MH)は,ハロタンやイソフルランなどの揮発性吸入麻酔薬や脱分極性筋弛緩薬(スキサメトニウム)によって誘発され,筋収縮が亢進して急速に体温上昇がひき起こされる麻酔合併症の一つである。MHの発生頻度は全身麻酔症例のうち数万人に1人とまれだが,いったん発症すると早期に対処されなければ,致命的な結果をもたらす可能性がある。ダントロレンがMH症状の改善に唯一承認されている治療薬であり,本稿では,MHモデル動物を用いた基礎研究を中心に概説する。
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