特集 知っておきたい周産期・新生児医療up to date
出生後
国内におけるドナーミルクの運用と最新の知見
水野 克己
1
MIZUNO Katsumi
1
1昭和大学医学部小児科学講座
pp.1769-1772
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001389
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はじめに
超早産児に対する母乳は, “薬” としての役割もある。母親の母乳が児にとって最適であることは疑う余地もないが,母乳が得られるまで静脈栄養のみを続けることは腸管粘膜の萎縮やbacterial translocationのリスクを高めることになる。一方,人工乳で経腸栄養を開始することも腸管透過性や腸内細菌叢の問題から推奨されない。母親の母乳が得られにくい場合,以前は低温殺菌処理をしていないほかの女性からの母乳(いわゆる “もらい乳”)を与えることが多かったが,母乳は感染の可能性がある体液でもあるため, “もらい乳” を与えることには否定的なNICU施設が増えている。
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