連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・4
ミルク神話,ここに健在
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.638-639
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100785
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拭い去れない「神話」
1960年代,開発途上国に急速に広がった人工乳。「お金のかかるものは良いもの。でも,大切なわが子には良いものを与えたい」「ミルクの箱に印刷された丸々と太った笑顔の赤ちゃん。これを飲ませればこんなに太るのだ(フィリピンでは太っていることが可愛いと考えられている)」……。
人工乳会社の販売作戦は,ここフィリピンでも大成功を収めた。しかしその結果,フィリピンをはじめとする多くの途上国で,乳児が不潔な水や哺乳瓶の使用による下痢や腸炎などを引き起こし,命を亡くしていることは知る人も多いと思う。
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