Japanese
English
特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
B.感染症
無菌性髄膜炎(ウイルス性髄膜炎)
Aseptic meningitis
奥村 俊彦
1
,
伊藤 健太
1
Toshihiko Okumura
1
,
Kenta Ito
1
1あいち小児保健医療総合センター総合診療科
キーワード:
無菌性髄膜炎
,
ウイルス性髄膜炎
,
エンテロウイルス
,
単純ヘルペスウイルス
Keyword:
無菌性髄膜炎
,
ウイルス性髄膜炎
,
エンテロウイルス
,
単純ヘルペスウイルス
pp.329-333
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001241
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1 疾患概念
髄膜炎のうち,髄液の一般的な塗抹染色・細菌培養および遺伝子検査にて細菌が検出されないものを無菌性髄膜炎という。無菌性髄膜炎という用語は1925年にWallgrenによって最初に記述され,急性の発熱と髄膜刺激症状を呈し,髄液検査で単核球優位の細胞増多を示し,無菌であることを特徴とするself-limitedな中枢神経系の症候群と表された1)。現在ではその原因としてウイルス,真菌,結核菌などによる感染症のほかに,非感染性の原因として薬剤,生物学的製剤,膠原病,腫瘍性疾患も挙げられており(表1)2),必ずしもself-limitedではない。無菌性髄膜炎のうちウイルス感染を原因とするものがウイルス性髄膜炎であり,原因のほとんどをウイルス感染が占めているため,本稿ではウイルス性髄膜炎について解説する。
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