Japanese
English
第1土曜特集 脳・神経系の感染症――診断と治療の最前線
脳・神経系のウイルス感染症
ウイルス性髄膜炎
Viral meningitis
石川 晴美
1
Harumi ISHIKAWA
1
1国立病院機構埼玉病院脳神経・認知症センター
キーワード:
ウイルス性髄膜炎
,
無菌性髄膜炎
,
エンテロウイルス
Keyword:
ウイルス性髄膜炎
,
無菌性髄膜炎
,
エンテロウイルス
pp.40-45
発行日 2021年4月3日
Published Date 2021/4/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2770140
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
髄膜炎は髄膜とくも膜下腔の炎症である.ウイルス性髄膜炎は無菌性髄膜炎のなかで最多の病因である.無菌性髄膜炎は,①急性発症の髄膜炎症状,②髄液グラム染色・培養が陰性,③髄膜近傍の感染性病変や全身性疾患がない,④経過が良好で比較的短い,⑤髄液細胞数増多,を特徴とする.細菌性髄膜炎予防ワクチン接種により細菌性髄膜炎の有病率が低下するにつれて,ウイルス性がより一般的な髄膜炎の病因となっている.通常,神経機能障害は認めず,発熱,頭痛,嘔気・嘔吐,髄膜刺激徴候などを急性に呈するが,幼児や高齢者,免疫抑制患者では髄膜刺激徴候が明確ではない場合がある.通常,予後良好ではあるが,発症初期において細菌性と鑑別する臨床指標に乏しく,髄液・画像検査など迅速な評価が重要である.一部のウイルスを除き疾患特異的治療はなく,支持療法が主体である.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.