Japanese
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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
B.感染症
細菌性髄膜炎,脳膿瘍
Bacterial meningitis, brain abscess
原木 悠
1
,
星野 直
1
,
石和田 稔彦
2
Yuu Haraki
1
,
Tadashi Hoshino
1
,
Naruhiko Ishiwada
2
1千葉県こども病院感染症科
2千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野
キーワード:
細菌性髄膜炎
,
脳膿瘍
,
抗菌薬
,
外科的治療
Keyword:
細菌性髄膜炎
,
脳膿瘍
,
抗菌薬
,
外科的治療
pp.334-339
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001242
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Ⅰ.細菌性髄膜炎
1 疾患概念
1)定 義
細菌性髄膜炎は,医療の発展した現代においても死亡5%,後遺症15%を認めるもっとも重篤な細菌感染症の一つである。2013年にインフルエンザ菌b型(Haemophilus influenzae type b:Hib)ワクチン,肺炎球菌結合型ワクチン(pneumococcal conjugate vaccine:PCV)が定期接種化されて以降,肺炎球菌性髄膜炎は70%,インフルエンザ菌性髄膜炎は98%罹患率が低下したことが報告1)されており,現在では10万人に1人と白血病よりも少ない罹患頻度となっている。しかし,その重篤さや迅速な治療開始が必要であることから疾患の重要性は変化していない。
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