Japanese
English
特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅰ.総論
薬物アレルギー
Drug allergy
平井 聖子
1
,
山本 貴和子
1
Seiko Hirai
1
,
Kiwako Yamamoto-harada
1
1国立成育医療研究センター・アレルギーセンター
キーワード:
薬物過敏症
,
薬物アレルギー
,
de-labelling
,
薬疹
,
アナフィラキシー
Keyword:
薬物過敏症
,
薬物アレルギー
,
de-labelling
,
薬疹
,
アナフィラキシー
pp.86-91
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001187
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1 はじめに
薬物アレルギーは,薬物によってひき起こされる過敏反応で,薬物が持っている本来の作用とは関係なく,免疫学的機序を介して生じる有害反応である(図)。日々の診療の中で,薬物アレルギーの対応を迫られる機会は少なくない。薬物によるアナフィラキシーの頻度も増加傾向にあるとされている1)。一方で,自己申告される薬物アレルギーのうち,実際に薬物アレルギーであると確定診断される症例はわずかである。適切な評価をせず,薬物アレルギーの疑いのみで被疑薬が避けられ,本来はその被疑薬が診療上最適な薬剤の場合としても,代替薬を使用することで疾患の転帰の悪化につながることも報告されている2)。薬物アレルギー疑いの中から,真の薬物アレルギーをいかに診断し管理するかが重要である。本稿では薬物アレルギーについて概説する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.