特集 腎・泌尿器疾患―血尿から移植まで
病因研究・遺伝子診断の進歩
遺伝性尿細管疾患
榊原 菜々
1
SAKAKIBARA Nana
1
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野
pp.1203-1208
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001022
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はじめに
腎臓は水と溶質の排泄を制御することで,体内のホメオスタシスを維持している。これには尿細管のチャネルやトランスポーターといったさまざまな輸送タンパクによる再吸収と分泌が深く関与しており,これらのタンパクの障害によってさまざまな病態を示す。薬剤や後天性疾患に起因する後天性と,遺伝子異常に起因する先天性(遺伝性)に分類されるが,現在遺伝性尿細管疾患に関する50以上の原因遺伝子が知られており1),原因遺伝子が同定されることで,個々の輸送タンパクの役割や疾患の病態生理に関する分子レベルでの理解が進んできている。
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