特集 小児の心身症~いま改めて心身相関を考える~
小児心身症を改めて考える
小児心身症とは何か?―臨床的視点から概念を再考する
永光 信一郎
1
NAGAMITSU Shinichiro
1
1福岡大学医学部小児科
pp.909-912
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000943
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はじめに
子どもの心の問題を呼称する用語として,「小児心身症」,「子どもの精神疾患」,「子どものメンタルヘルス疾患」などがある。身体症状を主に取り扱う小児科では主に「小児心身症」という言葉を使用するが,家庭や学校では,メンタルヘルス,児童精神,メンタルクリニック,心療内科などの「心身症」以外の言葉が,子どもの心の問題を呼称する用語としてよく使われている。およそ半世紀前に小児科で子どもの心理領域に関心が集まり始めたころ,小児科の心理外来では,頻尿,頭痛,腹痛,下痢など身体症状を明確に有する疾患を対象に心理外来が施されていたが,その後,精神症状や行動異常を呈する子どもたちも頻繁に受診するようになった。さらに今では,すべての小児疾患のケアに心身医学的なアプローチが求められている。「小児心身症とは何か?」 についていくつかの臨床的視点から改めて考察をしてみた。
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