特集 新しい時代の小児感染症
各論:感染臓器別
皮膚・軟部組織感染症
膿痂疹,ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
久田 研
1
HISATA Ken
1
1順天堂大学医学部小児科学講座
pp.561-565
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000843
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はじめに
膿痂疹,ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(Staphylococcal scalded skin syndrome:SSSS)は皮膚軟部組織感染症の一つで,いずれも表在性皮膚障害(表皮のみの剝離)をきたす疾患である。膿痂疹は,俗に「とびひ」とよばれ,一方,SSSSは,ドイツ人医師Baron Gottfried Ritter von Rittershainが,1878年に297例の症例を発表したのが始まりでRitter病ともよばれている。膿痂疹,SSSSのいずれも,黄色ブドウ球菌が産生する表皮剝離毒素(exfoliative toxin:ET)がその病態に関与しており,これらの病態が理解できれば,治療および管理方針も理解できる。
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