Japanese
English
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白色ブドウ球菌性膿痂疹(土肥)の臨床細菌学的知見補遺
A SUPPLIMENT FOR CLINICAL BACTERIOLOGICAL STUDY OF IMPETIGO ALBOSTA-PHYLOGENES (DOHI)
石渡 忠太郎
1
,
島本 治
1
,
古田島 昭五
1
,
土屋 俊夫
2
,
中野 政男
1
,
堀口 義仁
1
Chutaro ISHIWATA
1
,
Osamu SHIMAMOTO
1
,
Shogo KODAZIMA
1
,
Toshio TSUCHIYA
2
,
Masao NAKANO
1
,
Yoshihito HORIGUCHI
1
1国立東京第二病院皮膚泌尿器科
2国立東京第二病院細菌科
1The Department of Dermatology and Urology, The 2nd Tokyo National Hospital.
2The Department of Bacteriology, The 2nd Tokyo National Hospital
pp.1129-1135
発行日 1958年11月1日
Published Date 1958/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202390
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緒言
膿痂疹の病型とその病原菌の研究は1864年Til-bury Foxの記載にはじまる。その病型の1つImpetigo contagiosaの臨床細菌学的研究はその後屡々行われてきているが,本邦では1904年に土肥1)が膿痂疹について臨床細菌学的研究をおこない,その水疱から白色ブドウ球菌を証明して白色ブドウ球菌性膿痂疹(土肥)と命名したことは周知のとおりである。爾来わが国に於ては,この白色ブドウ球菌性膿痂疹(以下本症と略記す)の名称が踏襲されている。しかるに1911年本村2)が本症より黄色ブドウ球菌を培養した症例を報告して以来,相ついで本症より黄色ブドウ球菌の培養例が諸家によつて報告されるに至り近時横山3)が述べているが如く本症に対してブドウ球菌性伝染性膿痂疹(Impetigo contagiosa staphyloge-nes)なる名称が一般化するに至つている。吾々は1947年以来本症とその病原ブドウ球菌との関係を追及してきたが,ブドウ球菌は血清学的な型別をおこない難い関係上種々の疑問がのこり隔靴掻痒の感をまぬかれなかつた。最近ブドウ球菌のフアージ型別の研究が盛んになり,この機会に吾々も1956年〜1957年に取扱つた本症の65例についてフアージ型別をおこない新しい知見を得たので,古い研究成績をも加えて報告し本症の諸問題について考察を試みた。
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