特集 臓器別に斬る小児の感染症 最適な抗菌薬の選択と期間とは?
Ⅱ 各論
1 皮膚軟部組織
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
久田 研
1,2
1久田小児科医院
2順天堂大学医学部小児科学講座
pp.33-37
発行日 2024年10月20日
Published Date 2024/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001271
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サマリー
1 感染臓器:
臍などの皮膚軟部組織(一次感染部位:遠隔部位)
⇒表皮剝離毒素の血行播種により全身性の皮膚剝離をきたす(好発部位:顔面,腋窩や鼠径部,頸部の屈曲部)
2 想定する微生物:
黄色ブドウ球菌
3 提出すべき検査:
臍部や鼻前庭部など感染部位もしくは保菌部位の細菌培養検査(薬剤感受性検査含む)
・黄色ブドウ球菌が分離された場合,MSSAかMRSAかの判断材料になる
・剝離した皮膚および浸出液の細菌培養検査は通常陰性となるため,必要ない
血液培養
・通常は陰性だが,基礎疾患に伴う菌血症の有無を確認するため必要である
4 経験的治療:
セファゾリン点滴静注(MRSAを想定する場合:バンコマイシン点滴静注)
5 標的治療:
MSSA:セファゾリン点滴静注
MRSA:バンコマイシン点滴静注
6 治療効果判定:
剝離した皮膚の痂皮化
7 Oral switch:
MSSA:セファレキシン
MRSA:ST合剤(感受性があればクリンダマイシン)
8 治療期間:
10日間
9 参考となる成書やガイドライン:
文献1),2),3),4)
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