特集 どうする? 小児の便秘・下痢
便秘の原因となる器質的疾患の診断と長期的な治療戦略
慢性便秘症との鑑別を要する器質的疾患―低位型直腸肛門奇形
秦 佳孝
1
,
田中 尚
1
,
渕本 康史
1
SHINNO Yoshitaka
1
,
TANAKA Nao
1
,
FUCHIMOTO Yasushi
1
1国際医療福祉大学成田病院小児外科
pp.395-399
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000806
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はじめに
「便秘」は小児に限らず日常診療において非常に多い主訴である。しかし,一言に便秘といえどもその症状はさまざまで,「便が硬い」,「便回数が少ない」,「いきみが強い」,「排便時痛がある」,「腹部が張る」,「便意を訴えない」などといった訴えで受診されることが多い。また,重症便秘でみられるoverflow incontinence(直腸に便塊が充満した際に,便汁がその脇を漏れ出る漏便)は水様便の漏出のために「下痢」と勘違いし,患者本人や家族に便秘という認識がないこともある。便秘の診療にあたっては初回のていねいな問診が大事であり,その便通異常がいつから存在して,どの程度なのかを判断することは重要である。
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