特集 小児の便秘:最近の知見
直腸肛門奇形術後の便秘症の管理
渡邊 美穂
1
,
奥山 宏臣
1
Miho Watanabe
1
,
Hiroomi Okuyama
1
1大阪大学大学院医学系研究科外科学講座小児成育外科学
pp.359-363
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000097
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Ⅰ.直腸肛門奇形とは
直腸肛門奇形(anorectal malformation:ARM)とは以前鎖肛と呼ばれていた先天性奇形で,消化管の尾側端で皮膚につながり体外に開口する部分である肛門がうまく形成されない病態を指す。ARMは,4,000~5,000人に1人の割合で生じ,直腸が通常より腹側の会陰部に開口しているもの,(男児だと)下部尿路や(女児だと)膣に開口しているもの,盲端になっているものなどさまざまな病型(international Krickenbeck classification)があるが,すべて一連の病態スペクトラムとして考えられている1)(図1)。
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