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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅷ.境界領域疾患
18.母斑(あざ)
Nevus
酒井 成貴
1
SAKAI Shigeki
1
1慶應義塾大学医学部形成外科学教室
pp.1098-1104
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000709
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1 基本病因,発症機序
1.母斑の分類
母斑とは,遺伝的または胎生的要因に基づいて発現し,色調あるいは形の異常を主体とする限局性の皮膚奇形で一般的に「あざ」とよばれる。病変部の発現時期はさまざまであり,一般的にきわめて緩徐に発育する。神経皮膚症候群(neurocutaneous syndrome)とは皮膚以外に,母斑性の病変がほかの臓器にも生じ,一連の病像を呈する場合を示す。以前は神経皮膚症候群と母斑症とは同義語とされていたが,近年では2種類の母斑が皮膚の異なる部位に分布する状態を母斑症(phakomatosis)とよび区別されている。病変部を構成する細胞は神経堤細胞に由来し,種類によりメラノサイト系,表皮系,間葉細胞系,血管系などに分類される(表)1)。
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