Japanese
English
増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅷ.境界領域疾患
19.血管腫・血管奇形(脈管異常)
Hemangioma, vascular malformations(vascular anomalies)
小関 道夫
1
OZEKI Michio
1
1岐阜大学大学院医学系研究科小児科学
pp.1105-1110
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000710
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
血管腫・血管奇形は,脈管異常(vascular anomalies)とされるさまざまな疾患を包括する概念である。おもに皮膚,軟部組織より異常な脈管系細胞が発生し,さまざまな症状を呈する。1982年にMullikenとGlowackiが血管内皮細胞の増殖性の有無に注目し,乳児血管腫(infantile hemangioma:IH)と脈管奇形(vascular malformation)が異なる病態であることを指摘して以来,病態の理解が進み,International Society for the Study of Vascular Anomalies(ISSVA)分類が作成され,本疾患の世界的共通言語となっている(表1)1, 2)。しかしわが国では,いちご状血管腫(strawberry mark),単純性血管腫(hemangioma simplex),海綿状血管腫(cavernous hemangioma)という呼称がよく使用されている。このように “血管腫” と一括りによばれると同じ病態であるという誤解が生じやすく,診断のみならず正しい治療に結び付かないおそれもある。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.