Japanese
English
増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅷ.境界領域疾患
17.口蓋扁桃・咽頭扁桃関連疾患
Diseases related to palatine tonsils and pharyngeal tonsils
高橋 希
1
TAKAHASHI Nozomi
1
1札幌医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
pp.1094-1097
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000708
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1 基本病因,発症機序
口蓋扁桃と咽頭扁桃は,咽頭に位置するリンパ組織で,舌扁桃,耳管扁桃などとともに咽頭を輪のように取り囲み(Waldeyer咽頭輪),咽頭粘膜の免疫に重要な役割を果たしている(図)1)。一方で,この役割を積極的に行おうとするがゆえに,逆に感染巣となりやすい側面や,過剰な免疫反応で結果的に疾患を生じさせてしまう側面をもっている。とくに口蓋扁桃は多数の陰窩を有し,抗原を効率的に取り込む構造になっており,Waldeyer咽頭輪のなかでも中心的な役割を果たしているが,言い換えれば疾患の主体となることも多い。とくに幼少期は免疫成熟過程で一時的に口蓋扁桃や咽頭扁桃の役割が大きくなるため,口蓋扁桃,咽頭扁桃関連の疾患は小児科医にとって日常的に遭遇する疾患の一つである。
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