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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅶ.血液・腫瘍性疾患
11.播種性血管内凝固
Disseminated intravascular coagulation
石原 卓
1
ISHIHARA Takashi
1
1奈良県立医科大学小児科
pp.877-883
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000669
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1 基本病因,発症機序
播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)とは,基礎疾患の存在下に全身性の著しい凝固活性化状態をきたし,細小血管で微小血栓が形成され赤血球破砕が起こる,いわゆる微小血管障害性溶血性貧血が生じる重篤な病態である。結果として消費性の凝固/線溶関連因子の障害,さらには血小板低下を生じる。基礎疾患により線溶能の程度が異なり,たとえば線溶亢進が凝固の活性化を凌駕すれば,著明な出血症状を呈し,線溶能よりも凝固の活性化が優位であれば,多発する微小血栓による臓器障害が主体となる1)。
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